パスワード強度ポリシーをセットアップする
概要: 弱いパスワードはブルートフォース攻撃によって簡単に侵害されます。これにより、脅威アクターがサーバに対してある程度のアクセス権を得てしまい、ホストされているウェブサイトの改ざん、スパムの送信、情報の盗難などが可能になる可能性があります。
サーバ全体のパスワード強度ポリシーを構成できます。このポリシーは、サーバで新たに作成されたすべてのパスワードを対象に、最低限のパスワード強度を要求します。強力なパスワードによって、ブルートフォース攻撃が非現実的になり、場合によっては実行不能にさえなります。
パスワード強度は、推測攻撃やブルートフォース攻撃などに対するパスワードの耐性を示す基準であり、以下のようなさまざまな要因に依存します。
- パスワードの長さ。
- パスワードに大文字と小文字の両方が含まれているかどうか。
- パスワードに含まれる文字種の数(数字、特殊文字など)。
- パスワードに辞書の言葉が 1 語以上含まれているかどうか。
ユーザが(覚えやすいなどの理由から)脆弱なパスワードを設定すると、サーバを不用意に攻撃に対して脆弱にしてしまう可能性があります。たとえば、次のような状況があります。
- メールボックスのパスワードが侵害されると、攻撃者がこのメールボックスを利用してスパムを送信できるようになり、結果としてサーバの IP アドレスが DNS ブラックホールリストに追加されてしまう可能性があります。
- システムユーザのパスワードが侵害されると、攻撃者が顧客のウェブサイトに悪質なコードを挿入できるようになります。
これらはすべて、財務上の損害や評判の毀損のほか、データの損失にもつながりかねません。
ユーザが脆弱なパスワードを設定するのを防ぐためには、サーバ全体のパスワード強度ポリシーを構成できます。このポリシーは、Plesk でユーザが設定できる多くの(すべてではない)パスワードに適用されます。Plesk ユーザがパスワードを設定したり変更したりするたびに、その時点で有効なパスワード強度ポリシーの要件を満たすようにパスワードを調整することが求められます。
パスワード強度のレベルは「最弱」から「最強」までの 5 段階から選べます。ポリシーが厳格になればなるほど、ユーザのパスワードのブルートフォース攻撃に対する脆弱性が低くなります。
Plesk が強力なパスワードを生成したり、パスワードの強度を評価したりする仕組みは、一般的なサードパーティ製パスワード生成ツールと非常に似ています。これにより、1Password などによって生成された強力なパスワードが Plesk でも強力なパスワードとして扱われるようになります。 Plesk によるパスワード強度の計算方法はこちらをご覧ください。
デフォルトで、パスワード強度ポリシーは「強」に設定されています。サードパーティ製のパスワード生成ツールを使用しており、そのパスワードが Plesk で十分に強力ではないと評価されてしまう場合などは、これより低いポリシーを適用できます。
注釈: 最低限のパスワード強度を変更しても、既に設定済みのパスワードに影響はありません。変更が適用されるのは、最低限のパスワード強度を変更した後で設定されたパスワードのみです。
パスワード強度ポリシーは、以下のパスワードに適用されます。
- Plesk へのログインに使用するパスワード
- 契約のシステムユーザのパスワード
- データベースユーザのパスワード
- メールボックスのパスワード
パスワード強度ポリシーは、以下のパスワードには適用されません。
- Plesk でホストするアプリケーションのパスワード(WordPress、Joomla! など)
- Plesk で管理するサービスのパスワード(Git、Docker)
- バックアップの暗号化用パスワード
- リモートバックアップストレージのパスワード
パスワード強度ポリシーを変更するには:
- [ツールと設定] > [セキュリティポリシー]([セキュリティ]の下)に進み、[パスワード強度]セクションにスクロールします。
- [パスワードの最低限の強度]の下で、必要なパスワード強度ポリシーのラジオボタンをオンにします。
- [OK]をクリックします。
新しいパスワードポリシーが有効になり、ポリシーの適用対象であるパスワードが設定または変更されるたびに適用されるようになります。